垂直都市に降る雨

東大院卒が綴る思索の影_記事の内容は全て個人の意見です。

院試よもやま話2. 十日間のマジキチ戦争

前回が愚痴だったので今回はもう少し実際的な内容を書こうかと思ったけど、何の参考にもならないアホ話を書きます。

 

※私の2014年度のスケジュール

8月上旬:東京理科大学大学院入試

8月下旬:東京大学大学院入試 

 

2. 十日間のマジキチ戦争

結論から言うと、私は勉強が苦手です。

精神力が異様に足りない軟弱者で、そのくせにエゴやプライドだけは一人前以上に大きく、ゴミクソ過ぎる領域をひた走るボンクラです。

そのボンクラが東大の大学院を受けようと決心してしまったからもう大変、これは入念に時間を掛けてやらないとダメだろうと思い、2013年10月(東大院試10ヶ月前)から準備を始めた・・・つもりでした。参考書を買い揃え、教科書を買い揃え、それぞれ最初の30ページぐらいまで読んで心が折れました。今まで勉強してきたはずの内容が頭の中からスッポリ抜け落ちていて、こんな状態では間違いなく落ちるというレベル。今までの自分の勉強に対する姿勢を自分で疑うしかありませんでした。

 

で、やめました。

 

私の専門は化学ですが、試験科目は「化学」と「生命科学」でした。化学は自分の専門なんだから後回しにしてもいいじゃろ、と勝手に思い込んで、それ以降ずっと生命科学の教科書を読みふけっていました(概して自分の専門よりも隣接分野の方が勉強していて楽しかったりするものです)。

そんな事して遊び呆けながらいつの間にか2014年7月(東大院試2ヶ月前)、当たり前ですが壁にぶち当たりました。東大院試の滑り止め&前哨戦として理科大の院試も受けていたのですが、理科大院試の過去問が全く解けないのです。恐ろしいほどに問題が解けないまま理科大院試(8月上旬・東大院試1ヶ月前)がサラッと終了してしまい、終始泣きべそをかきながらそれ以降の時間を過ごすことになります。

 

で、やめました。

 

理科大院試が終了して以降しばらくの時間は、正直何もしていませんでした。寝ても覚めても自分の置かれている状況に絶望するばかりで、自分が何をしているのかすら自分で認識できないような酷い精神状態の日がしばらく続きました。あーゴミクソだなーと自覚しながら、テキストを開いては10分でテキストを閉じ、またテキストを開いては10分でテキストを閉じ、なんていう酷く無気力な時間を延々過ごしていました。

 

アホらしいので、もう考える事をやめました。

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すでに東大院試10日前。もはやどうにもならん。

ストレスで参ってたんでしょうね。そこで変なスイッチが入りました。

 

残り十日間、

どんな頭のおかしい勉強法で勉強したって文句は言われんはず!

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それからどうしようも無く酷い最狂の十日間が始まりました。

 

 勉強しながら大声で叫び出し歌いだす

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(難解な理論や問題は全て叫んだり歌ったりして覚えてしまうのが一番楽でした。テキストやノートで確認した内容を頭の中で分解して、それを自分なりに再構成し要約してから叫んだり歌ったりします)

 

 何の前触れもなく泣き出す

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(一度大声を上げながら泣くと、心が落ち着いてその後10時間ぐらいは勉強に集中できました。人間の涙にはストレス物質であるコルチゾールが含まれるため、大量に涙を流すと一時的にストレス物質が取り除かれスッキリすると言われています)

 

 部屋の隅で縮こまりながら小声で独り言を呟く

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(やってる内に五年分の院試過去問全てをノートとか使わずに頭の中だけで復習できるようになっていました。他の参考書とかは一切使わず、とにかく五年分の過去問に対して頭の中で完全完璧な解答を作って、更にその隣接知識まで頭の中に叩き込みました)

 

何も考えず寝落ち!

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(最低限の睡眠が無いと頭が動きません。極限に緊張していると眠気なんて消し飛んでしまいますが、それでも目を瞑って暗い部屋でしばらく身体を横たえているだけでも脳の疲労は少し回復します)

 

 全てを暗記しろ!

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(しかし上手くいかず・・・)

 

暗記した事が頭の中から吹っ飛んでやがる!

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やりなおしだ!

まさに最狂の勉強法、最狂の十日間でした。

まあ・・・合格したんだから結果的には良かったのでしょうかね。終わりよければすべてよし!

 

tips:「喋る勉強法」

人の記憶は常に五感情報とリンクしていると言われています。例えば嗅覚は古い記憶や精神の状態と密接にリンクしていると言われ、懐かしい香りを嗅いだりすると一瞬で過去の記憶が想起されたりする事があります。上述のような「喋る勉強法」の場合には、(1)一度テキストや過去問で視覚情報として確認した内容を(2)音声情報として自分で喋り、(3)自分の声を聞く事で内容を確認するという三重の記憶確認構造(視覚、聴覚(発声)、聴覚)になっています。私は日常生活でも独り言が非常に激しいので、その特性を生かしてこの方法で暗記物や難解な理論部分は乗り切っています。

※人前でやるとドン引きされるので独りの空間を推奨します。