垂直都市に降る雨

東大院卒が綴る思索の影_記事の内容は全て個人の意見です。

ぜいたくの意味論

私も人間なので、欲望というものがあります。
よりおいしいものが食べたい、より広い家に住みたい、よりたくさん本が読みたい、よりのんびり生きていきたい。…まあつまるところ、より良い生を送りたくて仕方がないわけです。
特に今現在のようにブラック的労働環境(本物のブラックではない)に放り込まれていると、精神的な貧困感がすごいヤバいです。何をしていても満たされないような感覚が常にあって、必死になって何かに取り組もうとしても全然捗らないし何をしているのかもよくわからない。
そういう時にぼんやりとネットを見ていると、色々なものが目に付きます。そこから考える事です。
 
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プロセス価値と結果価値

ブログ記事にアフィぐらい貼ったって今時怒られたりしないよとの事で、アフィを貼って書籍ほんの少しだけ紹介しながら自分の考え方を述べるという事をやってみようと思います。あまり書籍の宣伝ばっかしても面白くないので、宣伝とか書評をメインに据える記事は別の記事に分けます。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

この本を読み始める直前ぐらいから考え始め、読んで以降私の頭の中で一つの形になった考え方についてです。ずっと考えていましたがそろそろ言語に著してみようと思います。

「お金」とはそれ単独で価値のあるものではないのに、どうして皆お金にバカみたいに執着するのか?お財布の中に百万ぐらい入ってれば天国に行けるのか?
そうではないでしょう。幸福になりたければお財布の中の百万円で美味しい物を食べたり、欲しい物を買ったり、高級風俗に行って綺麗な女の子とイチャイチャしたりしなければならないのです。お財布の中に一万円札という「ただの紙」が百枚も入っていた所で、そんなもんはそれ単独ではトイレットペーパーぐらいにしか使えないのです。

ここではそんな「プロセス価値」と「結果価値」の混乱についてです。

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自分の見たアニメを整理する回:24

このブログを始める前まではFC2ブログを中学生の頃から学部二年生ぐらいの頃まで書いていました。FC2ブログは最早何が何だかさっぱり分からないぐらい操作性に難があり、アクセス解析的なものも付いていなかったため誰がいつ私のクソ長文にアクセスしてくれたのかも判然としませんでした。基本的にコメントらしいコメントを貰った事は無く、やがて中学の友人たちも「お前の文章は長すぎる」的なノリで離れて行きました。
あの頃は哲学書を読んでいたわけでもないのに、朝から晩まで自分なりの哲学を考えては毎日のようにブログに投げ続けていました。中学生は中学生なので、論理も破綻しまくりの超展開謎文章を大量に書きまくっていたのをよく覚えています。そんなもんが毎日投稿されるブログなんて、そりゃ誰も見ないわなあ。

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言語速度の果て:第一篇: 言葉と画像の認知

f:id:weaverbird:20180603134652p:plain最早言うまでもない事ですが、私の後輩は私よりも優秀です。学部時代、大学院時代の後輩たちは私のような愚者の偶像を軽々蹴とばし、自分自身の哲学や信念に沿って何かを成し遂げようとする行動力と意思力を持った人たちばかり。

そんな人々を後輩にする事ができたのは僥倖以外の何物でもない訳ですが、ある日彼らの中でも一番優秀な人物がふと言った事が未だに頭の中で響き続けています。

「脳内で思い浮かべた事を即座に言語化できるシステムがあればいいのに」
この言葉は私的には「概念」と「言語」の決定的な違いについて考える言葉であると思っています。概念を言語に翻訳するためには独特の翻訳センスが必要で、それが即ち言語力ないしは言語的思考能力と呼ばれる能力ではないかと考えています。

そういう事をトイレに座りながら考えていました。
「ものごとを言語化する」というのは誰しもが当たり前にやってる事ですが、実は結構困難で難しい事だと私自身は考えています。その例を示していく事で言語化する事の難しさを考えてみたいと思います。

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