カッコいい女性の声というものは本当にしみじみ聞き惚れるもので、ほかの軸のように「耳が溶けそうになる可愛さ」みたいなものはないものの、その分を補って余りあるカッコよさと凛々しさがあります。
というわけで図中右下を紹介。
榊原良子さん
(凛々しい・峻厳ボイス・冷たい)
・画像は「機動戦士Zガンダム」より「ハマーン・カーン」
ハマーン様といえば榊原良子、榊原良子といえばハマーン様というぐらいハマーン様。その声は凛々しくクールであると同時に峻厳な厳しさを持ったボイスであり、とにかく厳しい女性・老獪な女性を演じると右に出るものがいない。一時期声をあまり聞かない時期があったが、最近になって再び「冷たく厳しい女性キャラ」を中心に色んなキャラで名前を聞くようになってうれしい。
安済知佳さん
(リアル・しっとり・クール)
・画像は「灰と幻想のグリムガル」より「メリィ」
棺姫を挙げるかメリィを挙げるかでかなり迷ったが、メリィの演技がきわめて印象的だったためメリィで。その声はまさに少女から大人の女性へ成長している真っ最中のような、リアルでしっとりとしてみずみずしさに満ち溢れており、クールで冷たい大人の女性から利発で可愛らしい少女までをばっちり演じ切る。昔は本当に「棺姫のチャイカ」で演じた可愛らしい少女のイメージが強かったが、「灰と幻想のグリムガル」にてメリィの瑞々しい演技を聞いてガラリと印象が変わった。超絶若手の新人ながら今後演技の幅をどう広げて行くかが非常に気になるため書き込み。
本田貴子さん
(クール・骨太・張り)
・画像は「空の境界」より「蒼崎橙子」
アニメよりもナレーションで声を聞く印象が強い。クールで力強くハリのある声は切れ味の鋭いクール女性の理想の声そのものという感じで、その声の特性も相まって吹き替えで声を聴く機会も非常に多い。吹き替えで演じている役柄的にも優秀で頭脳明晰で冷徹な女性キャラの印象が非常に強いが、その一方で茶目っ気たっぷりで可愛らしい女性の役もこなせる。とにかく大人の女性を演じると凄まじくカッコよくてクールになる。
高垣彩陽さん
(しっとり・擦れ)
・画像は「伝説の勇者の伝説」より「フェリス・エリス」
少し擦れた声ながらしっとりと伸びやかで色っぽいという独特の特性を持ったボイスであり、キャラにばっちり入り込んだ演技を聞かせてくれるため一人一人のキャラに確固たる魂が宿る。聞く人によってはババア声に聞こえる(というか私は当初はそういう風に聞こえていた)が、キャラごとに演技を変えてくるため何キャラ分か声を聴くといつの間にか聞き惚れるようになっている。とりあえず伝勇伝のフェリスを聞いたときは衝撃だったというか、金髪碧眼美女の女騎士とかいう最強におあつらえ向きのキャラが低くしっとりした大人の女性特有のボイスだったりしたので二秒で惚れた。
元々は声楽家を目指していたらしく、一人でアニメキャラから讃美歌まで何でもやってのけてします超スペック声優でもある。
田中理恵さん
(響く⇔ヒステリック・気品・美しい・クール・演技幅すごいタイプ)
・画像は「CANAAN」より「リャン・チー」及び「ガンダムSEED」より「ラクス・クライン」
音程がきわめて高く気品の漂う美しいボイスであるが、それを逆手にとって猛烈にキンキン響くヒステリックハイパー狂気女キャラなどを演じる事も得意としている。声優業界セミベテラン軍団の中でもトップクラスの実力を持った声優であり、リャン・チーの演技は未だに聞けば聞くほど狂気に満ち溢れたキチガイ女っぷりが冴えわたる。その一方でガンダムSEEDでは気高さに満ち溢れた女指導者であるラクス・クラインとかを演じているんだからもう手が付けられない。
最近男性声優業界不動の最強者である山寺宏一さんと結婚した。男女両声優業界の演技幅すごいタイプの役者夫婦である。
女性声優業界セミベテラン勢の双璧を成す田中理恵・大原さやか両名のキチガイ女キャラ演技は次の動画から(前半は田中理恵、後半は大原さやか)。
柚木涼香さん
(クール・大人っぽい・リアル)
・画像は「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」より「平塚静」及び「武装錬金」より「津村斗貴子」
古くからクールでカッコいい女キャラと言えばこの人がド定番である。大人っぽくリアルで、暗さと冷たさを含んだ澄んだボイスが特徴であり、聞けば聞くほど「大人の女の魅力」みたいなものが染み込んでくる。かと思いきや昨今では「キルラキル」の鬼龍院皐月など、真っ向勝負で新しい役柄に挑戦し見事に完璧なキャラクター像を作り上げたりもしている。アニメらしい可愛げや特徴に欠けるという事はあるが、それを補って余りある聞き惚れるボイス。今後もますます活躍してほしい声優さんの一人。
久川綾さん
(大人っぽい・色っぽい・可憐・老獪)
・画像は「ヨルムンガンド」より「ヘックス」
大人っぽくて色っぽいボイスの殿堂。その声は年齢相応に老獪な雰囲気を纏っていながら、同時に色っぽく艶やかである。また声が高くなってゆくにつれてその声質の細さが発揮されて行き可憐さを帯びて行くとかいう、変圧器みたいな強力な特性を持ったボイスであり、演技の幅は年齢を重ねるにつれて広がっている。昔はその声の細さを生かしての役が多かったが、昨今ではヤバいぐらい大人の魅力、大人のエロさを見せつける役柄の印象が強い。
小林沙苗さん
(大人っぽい・演劇寄り・超リアル・クール)
・画像は「夏目友人帳」より「夏目レイコ」
元々が演劇役者出身だったらしく、とにかくリアルで演劇寄りな芝居をする声優さんである。声にはあまり大きな特徴は無いが、リアルな女性の質感を感じさせる非常に安定した声であるため、本人の演劇寄り・リアル寄りの演技と相まって凄まじい相乗効果を発揮する。彼女が演じたキャラクターはどれもこれもまるでそこに本当の女性があるかのような奇妙な感覚を与える。アニメキャラのキャラクター像がそこにあるというよりも、実在の女性がそこにいるかのような感覚が非常に強くなるのだ。演劇型声優というのは実際それほど数が多い存在ではないが、まさにそこにキャラクター以上のリアルな女性像を作り上げてくれる。
田中敦子さん
(少佐!・大人っぽい・色っぽい・クール・力強い)
・画像はどちらも「攻殻機動隊」より「草薙素子」
クール・色っぽい・大人っぽいという三つの軸の極限に位置している神。攻殻機動隊における主人公「少佐」こと草薙素子で一躍その勇名をアニメ業界に轟かせた。元々そのクールでリアルなボイスから吹き替え分野で凄まじい活躍を見せている声優であり、吹き替え担当女優にはジェニファー・ロペス、ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマンと錚々たる顔ぶれが揃っている。クールで大人っぽい演技からしっとりとした女らしい演技、更には攻殻機動隊で見せたような怒声を張り上げる演技まで、全てにおいて「クールで色っぽい大人の理想の女性像」を演技全体から感じさせる。