カラオケでアニソンを歌いたいんですよ。
アニメオタクならアニソンの一つぐらい歌ったって良いでしょう?
けれども死ぬほど生きづらい日本社会、オタクとは徐々に差別用語となり、オタクに人権はないと言わんばかりにオタク迫害的な言説が広がっています。もうアニメオタクはカラオケでアニソンを歌ってはいけないのか…!
そんな時に歌える曲は、あります。
勿論普通のアニソンを歌うのとは難易度が全く違う曲ばっかりですけど、意識高い系やスカしてる系の大好きなあんなアーティストやこんなアーティストもアニソンとして楽曲を提供する時代になってきたので、実際色んな曲が有ります。
探し始めたら十曲以上も出てきてしまって、割と量が多いのでまた何編かに分けます。
早速一曲目から。
一曲目から猛然ぶっ飛ばしていきましょう。信じられないかもしれませんがイギリスの世界的ロックアーティストであるRadioheadが日本の某アニメにエンディングテーマとして一曲提供しています。アニメ紹介の記事でも書きましたが、プロデューサーがわざわざ渡米して曲をエンディングテーマとして使わせてほしいと頼み込んだそうです。
言うまでも無く、これを歌うのは相当に難しいです。英語も英語でちょっと変形したイギリス流のカッコいい発音に、高音も低音も駆使した歌唱、讃美歌を踏まえたとされるコーラスまで入って、ありとあらゆる歌い方の技術を総動員しないとロクに歌えません。オタクっぽさは全くない代わりに、これをカラオケで歌うとほぼ間違いなくドン引きされます。とても渋くてカッコいいけれど嘲るような独特の響きで歌う曲なので、なおのことちゃんと綺麗に歌い切れたとしてもドン引き必定です。
哲学アニメの傑作、ErgoProxyのエンディングテーマ。何とも言えない憂鬱な響きがアニメの中身ともよく合います。
MONORAL / Kiri
同じくErgoProxyよりオープニング曲になります。憂鬱で果ての見えない旅路、響き渡る男声がなんともカッコいい、とても渋い曲です。音程がちゃんと取れる人がカラオケでこれを歌うと普通に98点とか取れます。パッと聞いただけではアニソンにはとても聞こえない点もとても良いんじゃないかと思います。これまたクソみたいに発音が難しいけど。
bôa / Duvet
ボアと聞くとちょっと前に流行った韓国女性アーティストを想像するのが一般的かなと思います。そっちではなくて、これはポール・ロジャースの娘がやってるバンドです。現在は活動休止してしまっているけど。これもまた変わった英語というか独特の発音というか、実際に歌ってみると発音を真似するのが物凄く難しいです。上手に歌えると非常にカッコいいし、アニソンらしさは微塵も無いです。
もはやアニメ業界の伝説と化してしまった情報哲学アニメの元祖にして最大の怪作"serial experiments lain"のオープニング。本編では毎話ごとにこの曲が始まる前に"...present day, ...present time! HAHAHAHA!"という不気味なナレーションが入ります。
WHITE ASH / Crowds
ここから徐々にアニソンらしさが出始めるのかなという感じですが、まあWHITE ASHの楽曲をアニソン臭いとか言い出したら日本のロックバンドは大半全部アニソンですね。英語日本語混合歌詞で極めて独特な韻を踏む歌い方をするので、普通にメチャメチャ歌うのが難しい曲です。ちゃんと歌えればメチャメチャカッコいいんだろうけど、未だかつてちゃんと歌える人は見た事が無いです。
タツノコプロのリメイクシリーズ、「ガッチャマンクラウズ」のオープニング。お洒落な曲にオシャレなアートが加わると最強ですよ。アニメらしいダサさみたいなものは全然なくて、スタイリッシュである事が前面に押し出された感じになります。
BOOM BOOM SATELLITES / BROKEN MIRROR
さてブンサテ!ガンダムUCのエンディング曲の内の一つとして提供されています。ガンダムといえば虚空の宇宙が舞台の戦争を描いた作品ですが、その暗くダークでソリッドな世界観にガッチリ合います。カッコいいんだこれが。これまたブンサテ節とも言うべき独特の発音にバリバリにクールな全英歌詞がエモーショナルなサウンドに乗って流れる様はまさにBOOMBOOMSATELLITESの真骨頂です。
ガンダムは子供の見るものなんてもう誰にも言わせない、抜群のクールさをもって迫るガンダムUC。これまでガンダムを見た事のない人でもメカ好きなら楽しめる事間違いなしです。
BOOM BOOM SATELLITES / LAY YOUR HANDS ON ME
何故私がブンサテばかり紹介するかと言われればブンサテが大好き過ぎるからです。その輝かしいアーティスト活動の歴史の中で複数のアニメソングを提供しているブンサテですが、その中でもこれは極地じゃないかなと思います。明るく希望のあるエレクトロサウンドに乗る祈りのような川島君の声。MVに登場するのは彼の遺した娘さんだそうです。最期まで歌い続けた一人のアーティストが最期に遺した作品だと思うと、アニソン臭くてダサいとかいう人は居ないんじゃないかと思います。
これもまた異色の作品でしたが、ブンサテが彩るにふさわしいスタイリッシュな作品でした。「キズナイーバー」のオープニング曲。とある事情から「強制的に接近させられた」男女が、困難極まりない状況を乗り越えて、お互いにぶつかり合いながら事態の解決を目指して走ります。